仔虎「うにゃー! カナー!」

「うわっ!? な、何だ!?」

仔虎「相手してくれないならこうだぞー♪ カナがあまりにもツレない以上は、悲しいけど実力行使しかないから仕方ないなー?」

仔虎「相手しろー構えーあたしを構うのだー! 嫁を構うのは旦那の仕事だぞー! そんなんじゃあたしが暇死しちゃうんだぞー?」

楽しそうに文句を言いながら脇から頭を出してくる仔虎。
無遠慮にまとわりつくように身体をくっつけて来る。

「こら、大人しくしてるって言ったろ? 邪魔さえしなければ好きにしてていいから」

仔虎「うん。好きにしてろって言ったのはカナだからな。だから好きにしてるーごろごろごろーすりすりすりー」

猫が身体を擦り付けるように頬を擦り付ける。
『要は仔虎に甘い』なんて豹悟にたまに言われるのも、まぁ自覚がないわけじゃないけど。

「ったく、しょうがない。そのままでもいいからちゃんと大人しくしてるか?」

仔虎「うん、してるー♪ ついでにナデナデもしてくれたらもっと大人しくしてるぞ? 優しくぎゅーってしながらナデナデがいい!」

「分かった分かった。こんな感じでいいか?(ナデナデ)」

仔虎「うん、そんな感じそんな感じ。ちゃんとたまに忘れないようにナデナデするんだぞ?」

「じゃあそこで大人しくしてろよ。俺はもうちょっと進めるから」

仔虎「むーこれでもまだ勉強するのかー? 旦那の務めを果たせー果たせー、ぶーぶー」

「まだ勉強するのかってお前……ナデナデしたら大人しくしてるって言わなかったか?」

仔虎「うん、それは嘘だ。だって本当はカナに構って欲しいもん」

「お前な……どこまで素直なんだ」

堂々と嘘だって。しかも二回目。

仔虎「当たり前だろー? あたしは嘘つかないしカナのこと好きだって言ってるんだから、本音はそうに決まってるよー」

仔虎「もっとイチャイチャしたいしナデナデだってベタベタだってしたいしさー。でも勉強のが大事とかって言われたらすねるだろーフツー」

「いや、まぁ……そうなのか……な?」

仔虎「そうだよー、だからあたしがぶーぶー言ってるんだろー? だから勉強よりあたしを構う方が大事だぞー」

好きだとか、イチャイチャしたいとか言われたら……どう答えたらいいのか。
いやそりゃあ健全な男なりに、そういう気持ちがないわけじゃないけど……。

「ハッ! 違う違う! そもそも今日は勉強するって言って来たんだろうが!」

「あまりの開き直りっぷりに自分が悪いのかと思ってしまうところだった……!」

仔虎「ちっ。うまく言いくるめられると思ったのに失敗したかー。しょうがない、じゃあ大人しくしてるので譲歩するよー」

仔虎「その代わりっちゃなんだがナデナデしてなー? ちょっとだけ待つって譲歩するんだからなー?」

「あ、ああ。ありがとうな?(なでなで)」

仔虎「うにゃ~きもち~♪ やっぱこれよのぅ~」

※このテキストはギャラリー用に編集をしてあります。