涼「ねえ、ちょっといい?」
要「え? 俺?」
涼「うん。キミのこと。ちょっと聞きたいことがあるんだけどいい?」
要「はい、俺に答えられることなら」
涼「『萌え』って何? 文学的な『萌える』じゃなくて文化的な『萌え』の方」
要「……はぁ、萌えですか」
涼「うん。それで萌えの最先端って言う小説を買って読んでいるんだけど、全然理解が出来なくて困ってる」
涼「むしろこの文体は小説に分類されるのかも分からないし、疑問符ばかりが浮かんで来るんだ」
涼「『ガッシャーン!』とか『がびーん!』とか『ぬるぽ!』とか擬音で書かれても何のことだか分からないよね?」
要「まぁ……そうですね」
最後のは多分擬音じゃないけど。
そうか、この人は真面目過ぎてダメなタイプの人だ。
面白ければ良いとかそういうライトな価値観が全くない真面目な人なんだな。
涼「でも人間はそういう理解出来ないものにこそ興味を惹かれるよね?」
涼「だからこうして勉強をしているんだけど、全然理解が出来なくて困ってるんだ」
要「なるほど。授業サボって萌えの勉強とはまた本末転倒な」
要「うーん。萌えを説明しろ、か……」
一時期、妙に仔虎と豹悟がアニメにはまってて、二言目には萌えとか言ってる時期があった(かなりウザかった)。
まぁいつも通り俺の部屋で借りて来たDVDを見てたから、何となくは俺も見てたんだけど。
要「その時のにわか知識で考えるに……うーん……要は可愛いって思うことなんじゃないかな?」
涼「ふむ、可愛いか……いまいち分からないな……」
この人が普通過ぎて普通でないことが良く分かったけど、どう説明したら伝わるものなんだろうか。
多分、子犬とか子猫を見て可愛いって言う感覚に近いと思うんだけど……。
※このテキストはギャラリー用に編集をしてあります。